前作から一転、変わって明朗な作風。舞台が70年代から80年代に移ったからか。
監督の井上淳一は、福田村事件でやらかした、部落問題、ハンセン氏病をただただ消費するという間違いを本作で在日問題でまたやらかしたかと、一瞬、思ったが、最後はちゃんと本作では回収していた。そこは評価する。
井上は製作の過程で、スピルバーグの「フェイブルマンズ」に感化されたのだろうか。オマージュとみえるシーンがいくつか。そうでなくても、映画を取りたいという情熱が突き動かすことで物語が走り出す点は低通する。
大まかなところでは評価したいが、ラストシーンはいかがなもんだろう。せっかくラストまで積み上げた若さの情熱という普遍性のドラマが、極私的ドラマに還元することにより、失われたのではないか。
