シネマスコーレで観た。
この映画は確実にそう言わなければならない。
シネマスコーレの席は背もたれが心地よく、映画をリラックスして観られます。
家のソファよりも居心地いいと思います。
と、映画館のセールスはさておき。
私は、過去の実話の映像化作品を「成功したから描けるんでしょ」と冷めた目でみてしまいがちだ。もし、主人公が今ホームレスだったら映画になりますか?と。
ところが、この作品には不思議とそんな気持ちにならなかった。監督に嫉妬してもおかしくないのだが、おそらく、監督が、葛藤する井上青年を心の中に宿らせていたからだからだと思う。
そして、木全さんは、上映当日も、スコーレの前の道路をほうきで掃いていた。若松監督に支配人を頼まれたあの時からずっと、映画と、映画館に来る観客が好きなのだろう。
若松監督は厳しくも愛らしくも、ときに哀しくもあった。彼を心底慕っていなければ、こうは描けない。
つまり、映画愛が現在進行形の方たちが主人公で、しかも自ら作ったから、余計な視点がなくてすがすがしい映画。とにかく、邦画が好きな人は観にいったほうがいいです。