このレビューはネタバレを含みます
長野が舞台ですごく綺麗な自然に囲まれているのに、これから何か起きるだろうという不穏さがすごかった。音楽も綺麗の先に不穏さ、不安定さを感じる。
ずっとちょっと緊張した。
区長の「水は上から下に流れる。上で行ったことは下に影響が及ぶ。上にいるものはそれなりの振る舞いが求められる」という話、忘れられない。水の話なんだけど、会社や地域、国、コミュニティあらゆるところでいえる話に思える。コンサル会社の餌食になる芸能事務所、社長の横暴さの餌食になる現場、現場の餌食になる村。
鹿の通り道だからどうするんだ?と率直に伝えつつ、「傷がある鹿は例外的に襲ってくるかも。ただそれはあり得ない」と断言する主人公。しかし最終的に…。
それは、「生活用水にちょっとくらい垂れ流しても変わんないでしょ」というグランピングの関係者と同等の自然に対する冒涜?無神経さだったのかもしれない。
自然はバランスをとってくれない。
味方してくれない。
対話をしてくれない。