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悪は存在しないのNAOMIのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.1
話題の濱口竜介監督の最新作。
このタイトルといい、ポスタービジュアルといい、完全にヨーロッパ映画やヨーロッパ圏を意識してますよね。
およそ邦画らしからぬポスターだし、ヌーベルヴァーグっぽいアート系映画なのかしらん。と思って見てみたら、かなり予想外の内容だった。


なんか、いろんなものが不思議なバランスで成り立っている映画。

ドキュメンタリー風味もありつつ、グリム童話と現代都市伝説がマッシュアップされてるみたいな、、これはもはや何ていうジャンルの映画と呼べば良いのだろ。

ストーリーの中でも、”バランス“という考えがキーとなってる。

難解な部分もあるし、私があまり得意ではない ”見た人に考察させる” 要素も多分にあるんだけど、あらゆる文化や思想やコンテンツ、娯楽、が飽和しすぎた現代において、とても奇妙なバランスのもとに成り立っている映画という点で、ひとつの境地を見た気はしました。

主演に抜擢された大美賀均は普段は映画の制作スタッフをしていて、役者ではない。
でも、この人が放つ、どこか
 ”ヒトならざるもの“ 
の不気味な雰囲気が、この映画にマッチしまくっていて、それもまた、奇妙なバランスを成立させているポイントだった。
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