このレビューはネタバレを含みます
悪は存在しない
森の木を切るのも生活に必要だから。悪じゃない。
芸能事務所のグランピング担当の人たちも話せばちゃんと聞いてくれるし、ちゃんと向き合おうとしてくれた。悪じゃない。
社長はたくさんの人の生活を背負ってるからあんな決断にもなる。悪じゃない。
コンサルの人もやっぱりお仕事だから。いちいち考えてたらお仕事にならないよね。悪じゃない。
鹿狩りするのも弱肉強食だし、環境のことだって考えてやってるでしょ。悪じゃない。
傷を負った鹿が花ちゃんを襲った?でも鹿はいつも人間襲うわけじゃないし、事情があるし、悪じゃ、ない、悪では、ない、
巧が一緒に花ちゃん探してた事務所の人襲った。でも巧もいつも乱暴なわけじゃない、今回は、事情が、あって、だから、悪じゃ、ない?
ほんとうに?
悪は存在しないって思いたい。だから、必死でこの人たちが悪じゃない理由を見つけようとした。でも、悪は存在しないのだとして、だからなんだ?悪じゃない、なんて言う事実で、事実だけで、私たちは納得できない。
森の中での生活の長回しが美しいなあ。悪じゃないからこそのどこにもぶつけられないもやもやと、どうしてもそれを悪だと認めたくない、悪は存在しないって思いたいもやもやだけが心に残る。
1回目の私の解釈はこんな感じ。
合ってるのか違ってるのか全然わかんない。でも、ラストの衝撃とその後に残ったもやもやだけは本物。
結局、悪は存在しないし存在するんだと思う