かいせい

悪は存在しないのかいせいのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしいとの評判を聞いたので視聴

映像・音楽・構成・内容、全部凄まじかったな…と思って2日放置してしまった。

まず映像は自然の美しさを静かに映しながら、どこか奇妙さを感じさせる映像がずっと続いている。何も起こらないのに、ずっと引き込まれる映像だった。

それに付随する音楽だが、常に不気味な雰囲気を漂わせていて、自然の偉大さというか恐ろしさを助長していると感じた。
元々監督と音楽家の方が企画して、始めたプロジェクトだったみたいなので、音楽がバッチリ合うのは必然かもしれないが、それでも気持ち悪いくらい合ってたな…

最後に構成だけど、なんと言っても最後のワンシーンが強烈
一瞬何が起きたか分からないし、そんな様子1回もなかったのに、何で…ってなる。
だけど後々考えていくと、確かに“便利屋”ってそういう事か…とか「巧の連絡先聞いときな」って区長が言ってた理由が見えてくるなと思った。


テーマとして持ってきているのは、自然と人間の関わり方というより、他者と自分の関わり方について考えさせる内容だったと自分は感じた。
この世に“悪”というものは存在しなく、加害のように見えても、それはある一線を超えた際に仕方なくやってしまう自己防衛反応でしかないという風にも見えた。
そういった考えはしたこと無かったけど、確かにそうだと感じている自分がいる。

最後に鹿に怪我を負わされた花だが、手負いの鹿=高橋たち、花=水挽町の住人というふうに巧には映ったのではないか。なので殺られる前に殺った。ある意味正当防衛だと感じた。


最後の荒い息で走っているのは誰なんだろうか。
男の声みたいに聞こえたから、巧が花を抱えて助けを求めてるのか?巧の中の人間らしい一面を描くことで観客に貴方たちも一緒ですよ?と投げかけているのか?
高橋が文字通り手負いの状態になってるから、巧を殺しにいってる?
ちょっとここは自分の中で上手く解釈できてないです。
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