悪は存在しないのあべのネタバレレビュー・内容・結末

冒頭の見上げるショットからググッと引き込まれる。枝葉の重なりが、カメラがゆっくりと動くだけであんなに豊かな映像になるんだな...。石橋瑛子の劇伴も相まって素晴らしいシークエンスでした(それに相対する最後のシーンも)。

ラストでええっ！？となってびっくりしたけど、手負いの鹿が〜とか広場には近づくなとか、わりと舞台は整えられていたなと。静寂を切り裂くチェーソーや劇伴のぶつ切りとか終始不穏さが漂っていた。
町側と芸能事務所側という期待していた二項対立もあっさりと有耶無耶になってしまったし、この不安定さがこの作品の肝なのかなと思った。
あの車内のシーンとか本当に凄くて緊張と緩和が絶妙。

おじいさんが語った、水は下に流れる、上流に住む人間は責任がある、という理がすごい心に残った。