このレビューはネタバレを含みます
音楽がめっちゃ良かった
自然を捉えた長回しが音楽によってより強度を高められてずっと観ていられる映像になってた。今回は俳優の演技以外の部分にも興味が広がった印象で、今までの中でも異色作な気がする。今までは演技を捉えるために据えられることが多かったカメラが、明確な意図を持って動く瞬間が多かったように感じた。中盤では笑える瞬間も多く、キャストの掛け合いが魅力的な濱口作品らしさを感じた一方で音楽が流れた途端に作品が引き締まった。今までのエッセンスに自然の雄大さと石橋英子の音楽が合わさることで新たな境地に達した作品だと思う。結末に関しては、明確な悪は存在しないけれど正義も存在しないというラストだと解釈した。一歩間違えれば全然面白くないのになんでこんな面白いんだろうと素直に思った。そろそろ濱口竜介には失敗作を撮ってほしい
