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悪は存在しないのとのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

肌寒く静かな自然の風景がとても綺麗に描写されていた。
住民説明会のシーンは会社側で参加したことがある自分としてはとても心が痛くなった。

明らかに悪のように映された企業側の二人だったが、車での会話を通してバックボーンが明らかになることで悪が薄まっていくようだった。


「悪は存在しない」というタイトルについて考える。
利益を求め杜撰なグランピング建設計画を持ちかける企業。
開拓の為にこれまで自然を一部破壊してきた住民たち。
鹿を撃った猟師。
黛を傷つけた木。
高橋を殺害しようとした巧。
花を襲った鹿。

自分の生活のため、生きるため、子を守るため。それぞれに確かな理由があり、人間に関しては悪を自覚した上で他者の領域を侵している。

それはある意味食物連鎖のような歪な形の自然があるだけでそこに悪は存在しないのかもしれないと思えた。
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