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悪は存在しないのABBAッキオのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0
 2024年濱口竜介監督脚本。ドライブマイカーが面白かったので本作も視聴。山深い中で暮らす人びと。主人公の父娘は自然の中で暮らしている(母がいない理由は明かされない)。そこに都会の芸能事務所がグランピング(グラマラス+キャンピングだと初めて知った)場を開設する話が持ち上がり、急遽説明会が開かれる。
 カメラが描き出す山中の風景はどこまでと美しい。それに対して説明会の風景はいかにも俗世にまみれている。中小企業向け補助金を目当てにコンサルのいい加減な企画で立案されたことが住人の一人からまともに指摘される。
 芸能事務所のオンライン会議、社員2人の車中会話、そしてクライマックスと状況が映って終わる。「悪は存在しない:Evil Does NOT Exist」というタイトルの意味を反芻しながらクライマックスの意味を考え続けさせる映画。「野生の鹿は絶対に人を襲わない。遅うとすれば半矢の鹿で追いつめられて自分の命を守ろうとする時だけ」がヒントなのか。
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