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悪は存在しないのtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

初めの30分くらいは村の便利屋巧さんと娘の田舎暮らし、雑木林や湖や小川や鹿などの自然を交えた美しくも静かで退屈とも言える描写が続きます。

東京の芸能事務所がグランピング事業を村でやるため、村人を集め説明会が始まるところから、緊張感が高まっていきます。
村人達がグランピング事業の問題点を次々と指摘していく、会社側の担当者の焦りは隠せない、もう画面から目が離せなくなっていきました。
グランピング事業の担当者の二人は村で頼られてる巧さんをスタッフになってもらい、ずさんで予算のない事業を何とか進めるよう会社から命令をうける。。。。


なんだろ!この映画!!ラストの唐突な展開、終わり方に唖然とする、なんの体験をさせられた!?

結局自分の心には、、背負った子供の重み、山菜の味の強さ、水汲みのタンクの重さ、薪割りの難しさ、ズサンな事業計画への苛立ち、会社への愚痴と仕事や人生への不安、うどんの温かさ(笑)タバコの匂い、肥料の匂い、血の色、ケガの痛み、水の大切さ、、焦り、怒り、苛立ち、孤独とか寂しさ、色々な感情、感触が沢山残りました。
いつのまにか監督の世界に引き込まれている自分がおりました。
こんな感覚になる映画は初めてのような気がします、それ自体は素晴らしい映画体験でした。
ラストをどう解釈し理解できるかで作品の評価が決まってくると思いますが、兎にも角にも忘れられない作品になりました。 
映画をもう一度観るか、ネタバレを読むか悩んでいる自分がおります。。

追伸
人間が何をしようと、鹿が何をしようと、この世に悪なんて概念はない、自然が壊されようと、汚されようと、全てを世界は受け入れて今現在があるだけで正も悪も無い、とか思いましたけど、、
この意味深いタイトルは面白いしカッコいいですね!
(そうか実はみんな悪がいると思っているからこそ、常識を揺さぶられて心が動かされるのか。。)

yahoo映画同時投
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