レーズンバターサンド

悪は存在しないのレーズンバターサンドのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0
冒頭の、森の木々を見上げながら移動するシーン。
林冠から空が見え隠れするのを見て、クラウンシャイネス(樹冠の遠慮)という言葉を思い出した。
樹木は枝を伸ばし葉を茂らせる時、風で枝と枝がぶつかり、互いに譲り合うように成長していくらしい。
木のソーシャルディスタンス。

映画を見終わって改めて思い返してみると、何となく物語を示唆しているように思える。
適切な距離をとり、共存してゆく。
自然と住民。
住民と開拓者。

「起承転結」の「結」が無いので、それぞれがそれぞれの結に思いを巡らせる。
公開からもう結構経つのに、ミニシアターはほぼ満席だった。

魅せる力のある映画だと思った。