複数回観てショットをすべて覚えなければ、それが一体何を指しているのか(シニフィエとシニフィアン)拾いきれない、同じ系譜の黒沢清『CURE』同様、そこに映っているもの(×、点滅する光、揺れる布、轟音、水など)で説話される故に、映画館を後にする多くの人が失語症に陥る点も面白く、志の高い監督であることを世に知らしめた作品。
なんとか上映中にもう一度観てから、書き加えたい。
【メモ】—-
◆色の系譜
赤系=チェンソー、タカハシのダウン
→文明
青系=ハナのアウター、タクミのフリース
→自然
黒系=タクミのアウター(ハナとの関わりの時のみ)
◆煙の系譜
煙草
堆肥?の湯気?
蕎麦の湯気
霧
◆上と下
区長のセリフ
冒頭の枝を見上げるハナ?(見下す枝
ラストの枝を見上げるハナ?(見下す枝
(もはや枝に見えない模様)
◆脱帽するアクション(素性を晒す?
前半タクミからタカハシたちへ
後半ハナから手負の鹿へ
◆ハナを抱き抱えるアクション
前半寝落ち
後半負傷
◆同じ構図
木を切るタクミを見つめる視線
鹿の死体がハナを見つめる視線
川の水を汲むタクミ
川の水を汲むマユズミ
◆映画的運命共同体
食事をするタクミとタカハシとマユズミ
同じ車に乗るタクミとタカハシとマユズミ
◆物凄く変なところ
学校でもひとりのハナ(説明会を見守る幽霊
1人で森を歩いて帰るハナ
必ず迎えの時間を忘れるタクミ
木を切るタクミに背後から忍び寄る視線
突然の後部座席目線
突然のハナとタクミ合流(おんぶ
◆気になるところ
ハナは存在していたのか
手負の鹿は存在していたのか
——
ところで、赤青のタイトルに加えて静止してる生徒から(だるまさんがころんだという自然な言い訳!)推測するに、ゴダールやりたかったんですかね?
『ゴダールの決別』
https://youtu.be/_h2LqozNgjg?si=cqlyOIirex5SGo0F)