悪は存在しないの我楽多ライターのネタバレレビュー・内容・結末

　個人的には面白かったし好きだけど、もう少し商業よりに寄せてもいい気がします。この路線で突き進むと袋小路に陥るのでは？

　芸能事務所の二人の車内の会話が面白かった。濱口監督は人間を多角的に捉えていて、人間が何よりも状況に依存することを理解している。言語化しにくい心の動きと、切り取られた映像美は素晴らしい。

　ただ、この映画に関しては、ラストがよく分からなかった。もちろん曖昧さを残すのも手法の一つだが、今回の結末は、あまりに受け手を置いてけぼりにし過ぎではないか。

　石橋さんの音楽は◎。パイプオルガンのような重厚さが耳に心地よい。