けん

フェラーリのけんのレビュー・感想・評価

フェラーリ(2023年製作の映画)
3.4
監督 マイケル・マン(ヒート)

僕はこの作品が嫌いではない。きっと賛否別れると思うけど。

エンゾ・フェラーリの生涯なんだけど、あれだけの世界的ブランドを確立した会社の創設者でありながら、仕事に情熱的なタイプの日本にもよくいる男性経営者という描き方が、僕にとってはリアルで良かったんだ。

仕事では勝ちにこだわるし、ブランドを作ることが何かわかっているし、パブリシティを取るための手段も選ばない。けど私生活では女に依存していて、愛人と子供も作ってしまう。しかも子供を認知するのをためらう小者感。派手なフェラーリには乗らず、プジョーで移動しているという地味な金銭感覚。そして、ぺネロぺクルス演じる妻や愛人に、なんやかんやあるけど、一周まわって結局支えられている。

無理やりヒーローや極悪人に祭り上げてドラマティック過ぎる作品にしてしまわなかったマイケルマンに一票だ。
けん

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