兎人らびっと

人間の境界の兎人らびっとのレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
4.0
ポーランド×ベラルーシの国境で起きている難民問題を描いたセミドキュメンタリー。

この作品の感想を上手く表現する語彙力が私にはまだ無い。

助かる数万人の命と助からない数万人の命。

「国境」という隔たりが起こす命の選別。

故に秀逸な邦題。

年初に観た『ビヨンドユートピア脱北』にも共通するが、
安全な亡命ルートなんてのは無く
命懸けのルートしか無い。

誰が味方で誰が敵か分からない「世界線」なのだなぁ…

島国で日本のSNSでも
亡命して来た難民へのヘイトは目を覆いたくなるが
地続きの欧州ではどんな風なんだろうか。

しかしこの手の作品が「エンタメ作品」として作られるくらいには
亡命が身近な出来事なんだろう。

日本では『亡命される側』の作品は撮られても
『亡命する側』の作品は撮られないし。

2021年を舞台にしたこの作品が
全編モノクロで撮られた意味をこれからも考えていきたい。
兎人らびっと

兎人らびっと