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人間の境界のunkoのネタバレレビュー・内容・結末

人間の境界(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ベラルーシとポーランドの国境は400キロに渡り接している。
2021年、ベラルーシとポーランドの国境にEUを目指す中東やアフリカの人たちが大勢集まって越境しようとする事件が発生。
ベラルーシにはロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員が紛れ込んでおり、ポーランドに侵入後、工作員としての活動を懸念し、ポーランドは国境警備を増強した。
主張としてポーランド政府はルカシェンコ政権がサイバー攻撃や偽情報の拡散などの非軍事的手段に移民を利用していると考え、俗に「人間兵器」として揶揄される。

本作はそのような状況下で、亡命を試みる家族や友人関係の物語である。
ベラルーシ側とポーランド側、どちらで遺体が発見されてもいけない為、死亡した場合には"消す"必要がある。
なので生きて亡命が見つかった人々は強制的にキャッチボールの如く、殺されはしないが国境周辺を行ったり来たり無意味な移動(有刺鉄線の上から投げられたり…)を強要され消耗していく。
しかも国境付近の駐在所の兵士達は資源を不当に売買するだけならまだしも、ストレスのはけ口として亡命者を利用する…。

こういったポーランド政府の亡命者への扱いに異を唱える人権団体の活動家たちはルールに則り、出来る限りの支援を試みるが、警備兵は法律を無視するためなすすべがない。

そんな中、ついにロシアのウクライナ進行が始まった2022年…。
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