土偶

人間の境界の土偶のレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
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まだ2022年2月の戦争前の話である。
ミンスクの空港に降り立った難民たちが向かうベラルーシとポーランドとの国境線。向こう側には国境近くに暮らす国境警備隊の若い青年と移住して間もないリベラルな精神科医という役柄を配し、難民たちが国境を越えて押し寄せる日常に直面する彼らの微妙な立場や、移りゆく感情がかなりの取材を重ねていったんだろうなと思われる。(そのためシリア人家族、国境警備隊、難民保護活動家、リベラルな精神科医とそれぞれの視点から物語がすすむ)
そしてわずかな行為でもさまざまな形で手を貸す名もない人々の描写には感情がこみ上げた。

監督の世代は人権軽視に無関心ではいられないのだろう。

9年前の夏、ドイツで見かけたシリアやアフガン難民たちの長い行列は決して忘れない。(その様子を注意喚起メールで発信した日本大使館のことも)
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