Ayu

大いなる不在のAyuのレビュー・感想・評価

大いなる不在(2023年製作の映画)
3.0
舞台挨拶付きのプレミア試写会にて鑑賞。久々の推しこと森山未來くんのお姿を拝見出来て感無量(去年のTIFFの「ほかげ」には登壇せずだったので)登壇者は藤竜也さん、原日出子さん、森山未來くんとはドラマ「モテキ」ぶりの真木よう子さん。原日出子さんが終始チャーミングでほっこりしながら鑑賞。

何度も鏡越しに映る誰かの姿、人づてに聞く父のこと、違う世界に行ってしまったような父が時々語るもしかしたら本当かもしれないこと。過去と未来が交差して曖昧になっていく過程を全編35mmフィルム撮影のザラっとした映像で描く133分。

劇中で演劇のシーンが何度かインサートされ、森山未來の存在感が光る(贔屓目もあると思うけど)しかし彼を主役に据えながらも真の主役として父親を演じた藤竜也がどっしりと手綱を握っていて、認知症を患いながら過去と未来、嘘と本当の間を揺れ動く姿を観ている観客の私たちごと巻き込んでいくような力強い演技だった(あと途中で走り書きするメモの文字が崩れながらも素敵)

若干疎遠な親族が認知症になるのまじで怖いな、と素直に思った。アンソニー・ホプキンスの「ファーザー」を彷彿とさせる。あとフレームの中心にあまり人物を置かないカメラワークが新鮮で良かった。
Ayu

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