このレビューはネタバレを含みます
圧倒されろと言われるような作画の凄さ
メインキャラがメインキャラとしてどんな状況でも頑張ってる映画です
24/8/6追記
以下、テキトーな雑感。
ヒロアカ映画っていうのは、基本的に原作へのめちゃくちゃリスペクトで制作されてる。
その上で、原作では見れない新しいものを見せることに注力しているように思う。
1作目は、オールマイトの過去や、デクとオールマイトの共闘。
2作目は、学生だけの攻防戦と、デクと爆轟の死に物狂いの共闘。
3作目は、世界規模での作戦と、ロードムービー的アプローチ。
そしておそらく4作目で最初に用意されてたのが、ヨーロッパ圏の犯罪集団と名家を舞台にしたまだ語られてないヒロアカ世界をベースにしたもの。
けれど、インタビューから察するにそれだけだと弱かったのだと思う。
3作目で全世界規模の作品を作ったから、確かにそれではスケールが小さい。
そこで堀越先生から提案されたのが、ダークマイトであり、要は擬似オールマイトとの戦いだったろうに思う。
そもそも、ヒロアカ映画の悪役というのは差し当たっての魅力を捨てている。
というのも手を抜いているわけではなく、原作を尊重して邪魔しないように、死柄木やオールフォーワン並みの因縁を避けているからだ。(3作目の無個性バンザイ宗教団体も、本来デクのもともと無個性という作品のコアに関連しているにも関わらず、原作の今後の邪魔をしないためにそれらの要素をあまり語っていない。)
これまでの3作の魅力は味方サイドの良さがとても大きな力を持っている。
そういう意味での本作の味方側のゲストキャラの魅力は十分にあった。
だが、シリーズ終盤の劇場作品で、完結も間近。アニメも最高潮に盛り上がっているこのタイミングで、対する敵の魅力が弱ければ、足を引っ張りかねない。
であるなら、先生の提案のダークマイトに乗るのは自明の理に近かったように思う。
併せて劇場作品のスタッフの意図の中に、現在ハードな展開を迎える原作とアニメの羽休めとしてファンに見てもらうため、いわゆる娯楽的な夏休み映画の文脈を目指していたということも入っているはずだ。
するとダークマイトは、原作を邪魔しないかつ、笑って見られるような小物としての描写にならざるを得ない。
現に、コイツバカだなーって笑って見られるキャラ造形になってたはずだ。
おおよそ上記から考えると、本作がこの形になったのは納得ができる。
個人的には、気楽に楽しめたので結構好きな映画である。
けど、ヒーローズライジングが全てを超えてきた作品だったので、あれには敵わないかな。