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ある閉ざされた雪の山荘でのakariのネタバレレビュー・内容・結末

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

…っていう映画を私は見たってことだよね?面白すぎない?咀嚼すればするほどお芝居って面白い!に行き着きます。演技してる人としてない人がいるんだと思ってたんだけど、全員してました。そりゃそう、そりゃそう。最後のオチまで全てが演技というのだけが紛れもない事実でした。「ある閉ざされた雪の山荘で」はフィクションなのかノンフィクションなのかそれ以前なのか、どう考えても騙されます。原作を読んでからまた見たいです。
始まりが本当にオーディションなのかすら疑ってかからなければならないです。真正面から受け取ると、犯人を当てた久我が主演を勝ち取り、舞台は成功しました。オーディション中、全員が本心を隠して演技をしていたというのも有り得ます。4日間でアドリブにアドリブを重ね芝居を完成させた。どこまでをアドリブと呼び、どこからを本心とするかはその人自身にしかわかりません。これなら田所が最後、久我の脚本の才能に嫉妬しているように見えたのも辻褄が合います。そもそもオーディションすら嘘で、久我が作った舞台「ある閉ざされた雪の山荘で」をみんなで演じていると捉えることもできます。それをいうなら、東野圭吾が作った「久我が作ったある閉ざされた雪の山荘で」をみんなで演じている、この説がたぶん一番正しいです。疑うとかそういうレベルの話ではなく、全てが嘘。結局東野圭吾に転がされていました。8人の役者全員にそれぞれの演技プランがあるのでしょうね。それを予想するのも楽しいです。久我と田所のやりとりは笑いました。あとはかっこいい間宮が見られたので満足でした。
久我の存在はやはり異質でした。3次選考であまり印象に残っていなかった久我が選ばれ、強烈な印象を残したはずの雅美が選ばれていないのは違和感と言えば違和感です。でも、芝居に絶対的な評価はなく、見る人によって違います。どこまでも主観的な芝居というものの面白さがこの作品には反映されているのだと感じました。
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