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ある閉ざされた雪の山荘でのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.7
バスの中には、目隠しをされた男女6人が乗っている。
降ろされた場所は、目の前に綺麗な海が広がる静かな場所。
華と実力を兼ね備えた劇団のトップ俳優・本多雄一(間宮祥太朗)。公演直前に役を奪われた経験を持つ悲運な女優・中西貴子(中条あやみ)。強烈な存在感を放つ怪優・田所義雄(岡山天音)。女優は私の天職、お嬢様女優・元村由梨江(西野七瀬)。役のためなら何でもする勝気な女優・笠原温子(堀田真由)。真面目で心優しいリーダー・雨宮恭介(戸塚純貴)。
6人は、劇団「水滸」の劇団員。その独特な演出法で演劇界に名を馳せる東郷陣平が主宰し、多くの舞台俳優たちが憧れる劇団「水滸」。
演じることにすべてをかける者たちの集団「劇団 水滸(すいこ)」。
新作舞台の主演を決める最終オーディションが、とある山荘で行われようとしていた。
たどり着いた山荘「Shiki Villa」には、すでに先客がいた。
もうひとりの最終オーディション参加者であり、唯一の部外者・久我和幸(重岡大毅)。
久我は、劇団「水滸」のファンであり、そのトップ俳優たちに会えたことで興奮している。
オーディション初日、夕方5時。役者は揃った。
最終選考に残った7人の役者たちは、この山荘で4日間の合宿を通して、演出家から与えられたシチュエーションに従い、役を演じきらなければならない。
「大雪で閉ざされた山荘で起こる連続殺人事件」。探偵となり、この謎を解いた者が主演の座を獲得できる。
しかし、そのシナリオは密室で1人また1人と姿を消していく奇妙な展開をみせる。
これは最初から仕組まれた演技なのか、それとも本当の事件なのか。
全員役者。全員容疑者。互いに疑心暗鬼に陥っていく劇団員たち。極限の精神状態で迎える最終日、果たして謎は解けるのか。
人気作家・東野圭吾が1992年に発表した同名ベストセラー小説を、「禁じられた遊び」の重岡大毅主演で映画化したサスペンスミステリー。
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をフックやオマージュにしてる割には、細かいところまでなぞり方が足りない。
演技力に差がはっきり出過ぎて、役者同士の駆け引きのスリルが物足りない。
とはいえ、三重構造の仕掛けが面白かっただけに、トリックなどの仕掛けが雑だった。
だが、間宮祥太朗や西野七瀬や岡本天音や堀田真由の演技そしてクライマックスに登場する森川葵の演技は見応えがあったので、舞台劇としてなら楽しめる迷作サスペンスミステリー映画。
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