みさとろん

ぼくは君たちを憎まないことにしたのみさとろんのレビュー・感想・評価

3.6
主人公はテロリストを憎まないという逆説的な詩によって世間からの注目を浴びるが、実際の彼には憎しみや悲しみが合わさったような精神不調が襲いかかる。理想的な人だと周りに見られることは気分を晴らすこともあるが、そのズレに苦しめられることもある。
慣れない息子の世話や親戚とのディスコミュニケーションなど、喪失だけではない悩みの種に精神を乱される様子が丁寧に描かれている。サイコスリラー映画を思わせるほどの迫真のシーンの連続に見てるこちらまで参ってしまうが、実際の喪失の苦しみはこれ程のものかと想像することは豊かな体験でもあった。
もう一度見たくはないが、良い映画体験でした。
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