真一

Lost Senses(原題)の真一のレビュー・感想・評価

Lost Senses(原題)(2013年製作の映画)
3.4
まぶしい日差し🌞
澄み渡る青空🟦。
ローマ風の建物🏛️。
不自然に伸びる影👤。
どこか歪んだ時空🕘️。

ジョルジュ・デ・キリコ
の絵画に「世界の実相」を
見いだした人には堪らない、
キリコ・ワールド🌐全開の
短編アニメーション🎥です。

舞台は、天空🟦に浮かぶ
キリコの空想世界🏰。
空中に漂う、
この南欧風の無人世界に
女👩は好きな男と暮らすため、
1人でやってきた。
その女と再会するため、
男👨も1人でやってきた。
2人は互いに探し求める。
結末はいかに…

※以下、ネタバレを含みます。

女も男も、相手を探すうちに
怪鳥に襲われるなどして、
石化していた自分の顔面(-.-)を
壊されてしまう。
顔がないから、目👁️も見えない。
目👁️が見えないから、女も男も
相手🧍‍♀️🧍‍♂️を見つけられない。
焦る2人👥に、
救いの手✋は伸びない。
そう、キリコ・ワールドは、
見えるもの👀や
聞こえるもの👂️だけで
物事の本質を推し量ることを
許さない世界🌎️なのです。
広がるのは、うわべの理性、
常識、幸福感を否定する
シュルレアリスムの空間―。

女👩が正気ゆえに手にしていた
「男とのツーショット写真」は
風🌬️に舞い、消える。
男👨が正気ゆえに手にしていた
「バラの花」は、怪鳥🦅に
奪われてしまう。

作品のタイトルは
「Lost senses」。
和訳するなら「正気を失う」か。
キリコの世界🌐に本気で
足🦵を踏み入れるなら、
私たちの既成概念や価値観を
持ち込むのは禁物🚫だという
意味だろうか。

幻想的な作品です。
真一

真一