本作のキーワードはズバリ【パラレルワールド(並行世界)】
とはいえ、別にSFチックな展開が繰り広げられる訳ではなく何気ない日常生活があちらでも同時に続いているのに過ぎないそんな世界を登場人物達は生きている。
でもそんな何気ない日常を生きることの意義、そんな事の大切さを改めて気づかせてくれる正に「目から鱗」な作品である。鯨には鱗がないが...
だからこそだろうか、時々繰り出してくるユルさがツボい。
ちなみに本作にはラブシーンがあるのだがそれですらクスッと笑えるオチが待ち構えてるし。
しかも【パラレルワールド】の定義すら緩くって時間軸が少しズレてて微妙にあっち側の世界ではタイムリープ入ってるし最近海外ヒーローものでよく観る「マルチバース的大移動展開」もないしでタイムマシーン的役割をこなすのはなんとエレベーターだしであくまで【日常よりすこし不思議】な点が藤子不二雄Fの短編だとかpanpanyaの漫画を足して2で割ったような的な絶妙なシュールさを彷彿とさせる。
そんな緩さの核になっているが主演関口蒼さん。
彼女の佇まいが本当に絶妙なのだ。
ちなみに彼女におけるイト役のどハマり感を強く感じたのがパンフの自己紹介の［好きな鯨類・魚類］の箇所に「ホッケ」と書いてる点。
他のキャストはシロナガスクジラとかシロイルカとかテーマに沿ったロマンあふれる名を書いてるんだけど彼女だけホッケ！
もうこのセンスが『光る鯨』のエッセンスそのものなんだろうなとか思ったりして🐳
