特売小説

女優は泣かないの特売小説のレビュー・感想・評価

女優は泣かない(2023年製作の映画)
-
ほほう、地団駄踏み倒し自業自得女優と暖簾に腕押し視野狭窄ディレクターの呉越同舟ですか、プロ意識、その認識の違いで以てぶつかり合う訳ですか、なんつって。

小気味よい台詞の応酬でくすりとさせる場面、そのやりっ放し感なぞは実に楽しいじゃない、なんつって。

こりゃ好みのタイプのバディものを観させてもらえるぞ、なんつって期待が膨らんだんですが。

後半、女優の家族問題に物語としての重点が置かれるようになるに連れ興味が薄れていってしまいまして。

勿論描かなきゃハナシにならんのだろうけれどももうちょい淡白な味付けにするとかさ、やりようってもんがあったと思うんですよ。

湿っぽい人情噺寄りに見せた現状だと病室での女優の行動が、彼女の最後の台詞が、一線を越えた化け物のそれではなくちょっとなに言ってるかわからないだけのものに見えてしまうと思うんですよね。

飽く迄も軸はお仕事ものでバディものであって欲しかったと、個人的にはそう思っちゃったんですよね。

それと。

スマホ画面上の文字メッセージに物語の展開を語らせる場面が何度かあったかと思うんですが、しかしその文字があたいにゃ尽く読めず仕舞いの追い切れず仕舞い、カセットテープから光学ディスクに移行出来なかった劇中の父親みたいに俺もついに置いていかれる側に回ったかと、思いましたよ、と。
特売小説

特売小説