パン泥棒

52ヘルツのクジラたちのパン泥棒のレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.8
【2021年本屋大賞・受賞作】
自分の人生を家族に搾取されてきた女性:貴瑚。あることをきっかけに移り住んだ島で、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年と出会い、かつて自分を救ってくれた人の思い出を振り返りながら、少年を助けようとする物語。

まず何と言っても、杉咲花ちゃんの泣きの演技が素晴らしい✨
自分を虐待をしてきた家族の介護で長い時間人生を搾取されてきた貴瑚を見事に演じてました!

虐待、トランスジェンダーなど大変な境遇に置かれている人たちが出てきますが、温かい人たちもたくさんいて優しさの連鎖が救いや希望を持たせてくれる内容になっていました。

ツラく悲しい涙から温かく優しい涙まで、とにかく泣かされるハンカチ必須の作品です!
大分県の島の風景や雰囲気も素敵で、良い作品だと思います。
…が、強いて言うなら……
もう少し貴瑚たちのバックグラウンドを濃厚に描いて欲しかったです。
時間の都合上仕方ないのかもしれませんが、重たいテーマの割りにはやや希薄さを感じました。

でも、そのおかげで原作を読みたくなりました。
※ということで、早速読み始めました📖


【原作読破後のレビュー追記】

映画では描かれていない人物が居るだけでなく、
キーとなっているくじらの鳴き声を教えてくれた人物も違っていたり、主人公:貴湖の印象もだいぶ原作と違う感じも受けましたが、映画版のストーリーの方がアンさんの存在を大きく描いていて泣ける作りとなっているので、それはそれでアリかなと思いました!
パン泥棒

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