振り返りムービー。
笑わない杉咲花さんの魅力に気づいてしまった人たちによる、本当は志尊淳さん役の物語。介護、毒親、ネグレクト、ジェンダー、しんどい環境です。
端折っているのか、フィクションの嘘のつきどころなのか、キャラの行動に奥行きが汲み取れなかったのですが、素敵な役者さんの振る舞いやセリフで楽しませていただきました。
たぶん、志尊淳さんは杉咲花さんの役との関係にもっと時間を割けばグッと来たと思いますし、宮沢氷魚さんとの関係も同様です。特に宮沢氷魚さんの役とは、もっと蜜月な時間が多ければ、より揺さぶられたことでしょう。
宮沢氷魚さんの役は、イヤなヤツの部分もありますけれど、良い部分もあって、出番が増えると主役を食いそうな厚みのあるキャラでした。それに対して西野七瀬さん。ひたすらイヤなヤツです。よくやってくれました。こんなヤツ本当に居そうです。とにかく良いヤツの小野花梨さん。いい配役です。主人公が、何度も小野花梨さん役に冷たい仕打ちをするので、ほんとイイヤツ、というキャラにハマっていました。
お話でクエスチョンの中心になるのは志尊淳さん役で、なぜ杉咲花さん役に、そんなに優しいのか。付き合うわけでもなく。ここの描き方が、ちょっと肩透かしです。見せ過ぎを避けてるのは賛成です。でも、ちょっと見せるから、汲んでくれるよね、というのが本作で、んー、謎が残るな、でもこれは杉咲花さん役が主人公だから、と言われると、まあそうですね。となります。
クジラの52ヘルツは素敵な例えですけれど、あまりそこには浸らせてくれません。とにかくシンドイ。
いろんなヘアメイクで変わる杉咲花さんを堪能させていただきました。