わか

52ヘルツのクジラたちのわかのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.9
以前原作を読んでたので鑑賞。
個人的には原作を読んだときはどちらかといえば、貴胡と少年の交流の方がメインって感じたんだけど、映画は完全に貴胡の過去にフォーカスが当たっている印象だった。

だから、貴胡と少年が主役の物語が、ほぼ貴胡と安吾の心の番の物語になってた。

どちらもほぼ原作通りなのに、どっちに比重をかけるかでこんなに印象変わるんだなとシンプルに驚いた。

あと、杉咲花の演技が凄い。
市子同様過去に色々抱えてる貴胡の役、生きてるのに抜け殻というか心がここに無いように見えるお芝居が素晴らしかった。
あと、少年役の子もセリフなんてほぼ無いのに、表情芝居であれだけやるのは末恐ろしさすら感じる。

観ていてふと思ったけど、52ヘルツで鳴くクジラは52ヘルツを聞き取れるのかどうか。
同じ周波数で鳴いてるからこそ引かれあって出会ったのか。
そして、生きていくと周波数が変わってしまう瞬間があるのか。
意外とタイトルの意味が深いのかもしれないと感じた映画だった。
わか

わか