このレビューはネタバレを含みます
原作履修済み
その観点から言うと、原作の良さが出ず物足りなかった
多分、クローズアップして取り上げなければいけない題材が多いのに、時間が足りなくて、以下で言う「消費」をしてるところが不完全燃焼につながってるのかな
ただ、やっぱり杉咲花の信頼感はすごい
インタビューで、性的マイノリティを感情を動かすために「消費」したくない(あいまい)みたいなのを見て、素敵だなあと思った
私は原作での、「アンさんはもともと女性だった」という事実がエンディングまで明らかにされないのが好きだった
母親が、アンさんが男性になることを認められず、死化粧も女性として化粧をしたシーンが衝撃的で忘れられない
その種明かし的なシーンが、マジョリティのための消費だとすると、私の考えが間違っているのかもしれない
杉咲花はすごく女優として好きだけど、今回は私のキナコ像と全く異なってて、ずっと入ってこなかった
もっとキナコは沈んでる状態で引っ越してきたのかと思ってたよ
(比べるものではないかもだけど、同時期の「夜明けのすべて」は原作と違うところが良かったので、ちょっと残念だった)
キナコが何度も生まれ変わって、52ヘルツのクジラの声を聞く人間になるまでの姿は、見てて痛くあったが、救われた気もした。