mocha

52ヘルツのクジラたちのmochaのネタバレレビュー・内容・結末

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

原作履修済み

その観点から言うと、原作の良さが出ず物足りなかった
多分、クローズアップして取り上げなければいけない題材が多いのに、時間が足りなくて、以下で言う「消費」をしてるところが不完全燃焼につながってるのかな

ただ、やっぱり杉咲花の信頼感はすごい
インタビューで、性的マイノリティを感情を動かすために「消費」したくない(あいまい)みたいなのを見て、素敵だなあと思った

私は原作での、「アンさんはもともと女性だった」という事実がエンディングまで明らかにされないのが好きだった
母親が、アンさんが男性になることを認められず、死化粧も女性として化粧をしたシーンが衝撃的で忘れられない

その種明かし的なシーンが、マジョリティのための消費だとすると、私の考えが間違っているのかもしれない

杉咲花はすごく女優として好きだけど、今回は私のキナコ像と全く異なってて、ずっと入ってこなかった
もっとキナコは沈んでる状態で引っ越してきたのかと思ってたよ

(比べるものではないかもだけど、同時期の「夜明けのすべて」は原作と違うところが良かったので、ちょっと残念だった)

キナコが何度も生まれ変わって、52ヘルツのクジラの声を聞く人間になるまでの姿は、見てて痛くあったが、救われた気もした。
mocha

mocha