このレビューはネタバレを含みます
結果のネタバレ有り
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。どれだけ鳴いても何も届かない、何も届けられない(小説からの引用)
この大きい世界で自分の声が誰にも届いていないんじゃないか。52ヘルツの声が届く人は同じくその声を発してきた人で、救いの手を差し伸べられる人はその内ごく僅か。
この物語はそんな52ヘルツの叫びが届くべき人に届いて報われた人と届いてほしくない人に届いてしまった人のそれぞれの物語。
個人的に美しい物語と評価されてるこの作品は、ただただ苦しくて報わない気持ちになった。