菩薩

レースを編む女の菩薩のレビュー・感想・評価

レースを編む女(1977年製作の映画)
4.0
途中まであれ私間違えてロメールでも観に来ちゃったかしら?なんてくらいヴァカンス映画してんのに最後はキッチリとイザベル・ユペール!!!の映画になっていてビビる。この後のユペ様のキャリアを決定づけた作品にあたる様だが、確かに色んな作品と接続が可能、後にショットガンぶちかましてても「ですよね」って感じだし修道院に入った後ポルノ小説家になっててもなんら不思議ではない。一緒にヴァカンス行ったのに自分だけ男作ってふける奴も相当狂ってると思うが、ユペもユペでナンパされたアラン・ドロンのジェネリックみたいなインテリ野郎とよろしくなりイチャコライフが始まる。ただ劇中の台詞を借りれば「恋人と言うより上司」の抑圧的インテリクソ野郎との隙間は徐々に決定的になり、ユペは心身共にバランスを崩していく。精神病院に入院したユペをどの面下げてんのか知らんが見舞いにくる元彼にギリシア旅行がなんちゃらと嘯くが、彼女が心無く機械的な手つきでレースを編む部屋の壁にはそのポスターが貼られている。私何かおかしい?とでも言わんばかりにまんじりともせずこちらを見つめ続けるユペ、何かしら歴史的瞬間を目撃した様な気分にすらなる。フランスでは喉に魚の骨を引っ掛けた時はパンを丸めて飲み込むらしい、学び。
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