アネモネ

コンクリート・ユートピアのアネモネのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.9
2024初鑑賞作品。

なんとも、言葉に出来ない嫌な気持ちになる複雑な映画でした。
嫌な気持ち=リアル
けど、いつも観るヨーロッパの監督達の作品の嫌とはなんか違うっつーか。。

震災が起きたばかりだからとか戦争が起きているとかだけではなく、どんなに小さなコミュニティにも起こりうる話に感じた私は
鑑賞後、眉間の皺が取れません。
ぐったり。
きっと世界で起きている様々な問題のメタファー的な事になっているんですよね。

リーダーを作ることの意味、独裁者の生まれる理由、他者の排除と偽仲間意識、
そこを超えて生きる意味や助かった意味まで考え過ぎてしまいました。
最近のニュースにも悲しくて疲れているせいでしょうか。
小さい範囲から考えると
まずは団地政策がなぜできたのか、庶民の賃金問題や過疎化など政治から考えていかないといけないと思う。
そして東北の海の街で働いている私は先日、そこら辺のおばちゃん達が「ニュースの被災者を見ていて、私達もこんな風に見えてたんだねぇ」なんて軽く話をしていて複雑な気持ちになって、みんな結局は自分の身近でしか物事を考えられないと言う現実に悲しくなったり。

とかモヤモヤとこの映画に当てはめて振り返っていると、
政府は震災の度にほとんど対策を検討せず準備に予算と頭を使ってなかったのかよ!
とかムキー!!ってなって
もうもういっぱい不満が口から溢れていくので辞めときます。
 

相変わらずのイ・ビョンホンの天才的演技が凄まじい。
人はこうして変わっていくのかと表情でみせるので引き込まれました。
そしてミョンファ役の方がちゃんとノーメイクで素晴らしい演技をしていて、これから応援しようと決めました。
あと、大好きなカン・ドンウォン作品で1番キモかった作品の監督だったから、ラスト日本のドラマみたいに終わったらどうしようと不安でしたが、最後のミョンファの台詞はとてもぐっときました。

同じ災害の話でも、白頭山大噴火の100億倍見応えがありました。
もう見直したくないけど。
作品の細かいところとか突っ込む気も全く無く、なんか悲しいよ私は。。
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