短編映画。イマジナリーフレンドとの出会い、束の間の楽しい一時、そして旅立ちの日。こういう物語は大抵が当事者である子供の視点で描かれるけど、本作は“イマジナリーフレンド側がインタビュー形式で思い出を振り返る”という逆転の構図を持ち出しているのがユーモラスで面白い。“イマジナリーフレンドはずっと友達”というエンドロール後のオチも含めて、制作者側の体験に基づく思い入れのようなものが伺える。
イマジナリーフレンドであるジョーのキモカワ系のバタ臭いビジュアルがいかにも欧米感あってなんかすき。口が開いたり閉じたりして感情表現するのがユーモラス。戦場や未知の惑星など、ライアンとジョーが体験する“空想の世界”を景気良く映像化してるのも好感。演出も相まって、少年の想像力によって生み出されるユーモアが際立っている。まぁイマジナリーフレンドの回顧録という構図で捻りが与えられてるとはいえ、基本的には粗筋から予想される以上の内容は薄い。それでも幼い日から続いている無垢な想いが込められたような本作のテーマには何だか憎めない味がある。