ガンダムSEEDの
総集編三部作を履修したところで、
続編であるガンダムSEED DESTINYの
総集編四部作の第一作を初鑑賞。
放送当時の思い出としては
SEED程は熱中していなかったが、
改めて鑑賞すると続編らしい
問題提議する展開は良かったと思う。
物語はC.E.73年、
地球連合とプラント(ザフト)の双方が
協定を結び終結した戦争だったが、
ザフトが新たに開発した新型ガンダムが
地球連合の特殊部隊に強奪された事で
再び戦火の火蓋が切られ、
オーブに身を寄せていたアスラン、
ザフト兵でオーブを憎むシン・アスカ、
オーブで隠居していたキラ、
三人が戦乱の中で邂逅していく
内容となっている。
前作SEEDからの地続きであり、
先の大戦から余波した問題や
連鎖する憎しみといったものが目立ち、
自分達が信じて行った過去に
葛藤させられるアスランやカガリだが、
続編らしい問題提議だと思った。
モビルスーツの進化もシンが搭乗する
インパルスを筆頭に描かれ、
分離・合体するメカは格好良かった。
SEEDが三部作で本作が四部作である為、
前三部作と違って第一作からしっかり
人物描写が描かれているのは好感触だった。
又、三人の主人公の中で
アスランが中心となってのモノローグが
挿入されていおり、
複雑に絡んだ人物関係で
視点を可能な限り絞っている印象を受けた。
しかしながら、
シンに共感する事はできても嫌な印象が
強い新主人公でそこが難点だった。
前作での出来事で家族を喪う
トラウマを抱え、祖国だったオーブと
その代表役となったカガリに
嫌な位に突っ掛かるシンだが、
同情できる余地があると理解しつつも
良くも悪くも純粋に相手へ噛みつく
キャラだけに気持ちの良いものではなかった。
終盤で覚醒して連邦の戦艦を蹴散らす
インパルスの場面が完全に悪役であり、
物語初期の段階でそんな印象なのも
どうなのかと思う部分だった。
その上で前作からの主人公である
キラやアスランも活躍する為、
主人公三人の中でどうしても
悪役染みているように感じられた。
シンの加入による
三視点からの群像劇として面白く、
より様々な視点から戦争を感じる内容に
前作で描かなかった事を描いていると思った。
でもやっぱりキラとアスランへの
感情の比重が強い。