シネラー

プレゼンス 存在のシネラーのレビュー・感想・評価

プレゼンス 存在(2024年製作の映画)
3.5
幽霊視点による一人称視点という
奇抜な予告から興味深く、劇場鑑賞。
なかなかに奇抜なアイデア故に
人を選ぶところはあるが、
不可思議な一人称視点による
映画体験の面白味は勿論、
その様々な考察ができる結末は良かった。

物語としては、
ある家に引っ越してきた
一家の身の回りで巻き起こっていく
怪奇を幽霊の視点の一人称から
描いていくホラー映画であるが、
家庭崩壊寸前の家族を描いていく
日常と不穏な出来事はホラーよりも
ミステリー味を帯びている印象を受けた。
家族の一部始終を傍観している
幽霊目線の視点は、
家政婦は見た!と言わんばかりの
家庭場面を観ているようだった。
加えて、本人の姿が映らない
幽霊視点ではあるものの、
状況的に気まずい場面では
隠れるような視点に移動するといった点
や特定の人物を気にかけるように
追っていく視点からは人間味が感じられ、
本来なら感情移入しづらい超常的存在に
妙な親近感を覚えるのが
不思議な映画体験だった。
劇中の家族の会話劇から
幽霊の正体が考えられたりもしながら
ラストで一応の正体は判明するが、
2回目以降の鑑賞がとても楽しくなる
結末な上に視点の意味も含めて
ゾッと鳥肌が立ってしまった。
その際の母親を演じていた
ルーシー・リューの反応も良かった。

ポルターガイスト現象といった
派手さある場面は多少あるものの、
主人公視点である自身が原因な上に
それを上回る奇っ怪さやホラーはない
のは否めないところだった。
又、基本的に一家の日常における
不穏な関係や出来事が淡々と描かれる為、
そこに全く退屈さを感じない訳ではなかった。
上映時間も約90分でそれ程長尺ではないが、
結末やアイデアありきな映画でもあるので
60分以下の中編や短編の方が良いと思えた。

様々な予想をした上で
劇場に足を運んだ次第だったが、
良くも悪くも予想外なところもあって
楽しめた幽霊による一人称視点映画だった。
他のレビューを拝見すると、
様々な解釈もある中で幽霊の正体が
分からない旨のレビューもあるが、
劇中で幽霊には過去も未来も無いという
言及が答えじゃないのだろうか。
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