かなむパパ

アイアンクローのかなむパパのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.5
アントニオ猪木全盛期(1980年代まで)、大のプロレスファン。今は、格闘技評論家であり格闘哲学者…簡単に言えば格闘マニア。
な自分からしたら…これほどデリケートな映画はない。

フリッツ・フォン・エリックは伝説のレスラーの一人として良く知ってる。そしてその息子たちは、私がプロレスファンを辞めた頃活躍し始め、呪われた家族という事も有名な話。
その謎めいた話を、あのA24が製作…良い映画には間違いない…。だけど…。
これが普通のスポーツならいい。勿論ボクシングなどのリアルファイトなら分かる。
そう…映画の中でも少しだけそんなシーンはあったけど…プロレスは格闘エンターテイメント劇なのよ。今でこそ、完璧にカミングアウトして肉体格闘ショーとして、リアルファイトと完全に区別してるけど、あの頃はまだ曖昧にしてた時代。でも、あらかじめストーリーは決めてはいたわけで…最強になりたい(チャンピオン)、有名になってお金を稼ぎたい、観客を最高に楽しめたい…などが全て曖昧でフェイクな世界。
だから・・
私のようなお堅いリアルファイト稼業からしたら、話が、感情が矛盾だらけで…素直に受け入れられない。息子たちの、親父の感情が、フィクションにしか見えない。映画である限り、ノンフィクションであっても、結局はフィクションなんだけどね…。

そんなわけで…この映画は素直には観れないデリケートすぎる話なんだ…。