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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のserinaのレビュー・感想・評価

4.9
ボスへの忠誠心は堅く揺るがず、パピーの拷問大好きサイコマン・ブロンド。コソ泥精神が骨の髄まで染み付いてるピンクちゃん。ドラッグを持って麻薬探知犬と鉢合わせても、敵陣に潜り込むのもヘッチャラな演技派…でも痛みには激弱・オレンジ。身内には徹底的に優しいヤクザ哲学に通ずるまさに正統派悪党・ホワイト。1人だけ場違いなほど年取ったブルー。周りの人間を丸呑みする勢いで喋り倒すところだけが見せ場なシットオブカラー・ブラウン。

ホワイトが鏡の前でクシと水使って髪の毛をキリッと整えるけど、ジェルやワックスでセットするわけじゃないから、一瞬にしてボサボサ頭に戻ってるのが地味にツボだった。あと、ドッグが紛れてたって分かってから「俺は怪しいって思ってたんだよ!臭かったんだよ!でも金欲しさにここに来たのバカだったよ!」ってキャンキャン吠える小型犬・なピンク。おもしろすぎるでしょ。最後に、タランティーノ演じるブラウンが力説する「ライク・ア・バージン」のド下品な考察、マドンナからクレーム入ってるのを知っていても、聞くたびに「んー…あー……なるほど……?んー。」って納得しそうになるのが悔しい。ワンシーンずつ切り取って話をしたいほど最高。『レザボア・ドッグス』はタランティーノ作品の原点にして頂点。1993年に以来の劇場上映だったみたい、現代に復活してくれてありがとう。やはり名作は劇場で見るのがベストだ。
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