移民問題はより根深いものになってる。宗教や人種によって優遇される移民と冷遇される移民がいる現状。これは移民を受け入れる・受け入れないの問題の先に起こりうること。ここまで暴力が身近なものになってしまった中で、フランス国民はどう向き合っていくのか。日常に暴力がない日本で暮らしている自分たちは、どう向き合っていくべきか。正直、今の平和ボケしたわたしが突然この状況に放り込まれたらひれ伏すと思う。
ラジ・リ監督の新作、絶対劇場で見ようと思ってたらフランス映画祭で来日してくれたので最前列で鑑賞。『レ・ミゼラブル』でも凱旋門に集まる民衆たちの様子をドローンで映す演出が印象的だったけど、『バティモン5』でも架空の街を空から映し出す演出が多用されてる。ラジ・リ監督お決まりの演出方法になってるね。特にクリスマスイブに住人たちが引っ越しをするシーンは、このシーンのアイデアが一番最初に浮かんでたのでは？と思うほどに強烈。
フランスの革命家といえば若い青年のイメージがあるかもしれないけれど本作で登場する屈強な革命家はヒジャブを被った若い女性。これに対してはラジ・リ監督自身がトークイベントで言及してたけれど、近年のフランスの貧困地域や移民の多く住む地域で積極的にサポートをしているのは若い女性たちらしい。実際に声を上げるのも女性たちが多いようで、そういった背景を理由に主人公のキャラクターを作り上げたとのこと。
