村山

NO選挙,NO LIFEの村山のレビュー・感想・評価

NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)
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畠山理仁さんのドキュメンタリー、2022年の衆院選(主に東京選挙区)と沖縄県知事選挙を追う。
新聞各紙「事実上、〇〇と△△の一騎打ち」のような書き方をして、主要となる候補者以外は蚊帳の外に置かれることもあるのに対し、畠山さんは必ず取材をしてから記事を書く。さらには映像で映し出されるように対面での取材を信条とされているようだった。
取材はお金にならない。放送局は広告費が減って先細りする中で働き方改革の波もあり、どうやって経費を落とすかに労を割く。取材費を削減しようとする放送局はこれから増えるだろう。おまけに選挙報道は公平中立の都合の良い大義名分もある。つべこべ言われたくないから何も踏み込まない。そして、また何も変わらないと有権者は嘆く。
選挙は面白いですよと公言して憚らない畠山さんの取材には一貫して相手を尊重する優しさがある。たとえ主張がトンデモでも話の腰は折らない。候補者は有権者の代表、だから伝える必要がある。おれがやらなきゃ誰がやる。この掛け値なしの姿勢は温度となり誰かに伝播する。
村山

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