足拭き猫

NO選挙,NO LIFEの足拭き猫のレビュー・感想・評価

NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)
3.5
全国のみならず直近では台湾の総統選挙も取材したジャーナリスト畠山理仁さんを追いかけるドキュメンタリー。全ての候補者に接触できない限りはその他の人含めて書かないという平等&徹底ぶり。記事の売り込み先は主に(いまや媒体としては瀕死状態であろう)週刊誌らしく、全然儲からないどころか赤字だそう。本人も作中で仰っていたが畠田さんと彼が熱く取材する泡沫候補をどうしても重ねざるを得ませんでした。人間が好きなんだなぁと思った。
お子さんが2人がいるのですが収入が不安定でなので主たる収入源はもしかして奥様の方かな?理仁さんの仕事に大変理解があり、というかきっと子供が3人いると感じてらっしゃるのでしょう。

以前から思っていたことですが国政選挙の東京選挙区の候補者はバラエティ豊か。地方だと大体「ああこんな人ね」とか「この政党の筋ね」などと分かるけど、東京では自称超能力者だったりバレエをする人の労働条件向上を目指す人だったり有象無象。NHK党は様々な候補者を擁立して供託金を負担する代わりに全国区での当選を目指すために票の数を稼ぐ作戦らしく、それはそれでうまいなと。しかしその時に当選した1議席がガーシーだったというのが今思えばなんとも・・・。
蓮舫が自ら「党勢が無い」と仰っていた(おい!)のには苦笑い。ちなみに20秒しか取材できなかったあの場所は家の近くです。杉尾ひでやさんは無事に?当選しました。

一定数の票を獲得できなければ供託金300万円は没収されるわけだけど、負担させるんだったらそんなの関係なく立候補した人が全員が払えばいいのに。

沖縄は基地問題があるせいかすごい熱量で、本当は選挙違反になるけど有権者が辻立ち演説会をする場面も登場。辺野古基地の前に座り込んでいる人たちをひろゆきはバカにしていたけど決して無駄ではない行動だということもよく分かったし、引退を考えていた畠山さんに逆に勇気を与えているのが熱かった。