Toineの感想文

SaltburnのToineの感想文のレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.9
【強欲が成し遂げた浸食】
新作に疎いわたくしがフォロワー様方のレビューのお陰で乗り遅れずに鑑賞できました。
ありがたい限りです。

「バリー・コーガンさんがキモい」という気になり過ぎるレビューが散見されていたのでどんな子だろうと確認してみたところ「聖なる鹿殺し(2017)」に出演していた子ですね。
確かにきしょい😂だがそこが良い。←←
癖が強くて影がある子が大好きなので。
こういう子はホラーやサスペンス系の作品に引っ張りだこなんじゃないのかな?
こちらの作品でもかなり安定に映えてました。

淡々と演じているのに凄まじかったw
浴槽で啜る例のシーンだけでなく血まで啜るキモキモ加減が予想を遥かに上回っていたので鳥肌を立てつつ笑ってしまいました。
この2つの啜りシーンって両方とも液体だからじわじわと彼の体に浸透していきますね。
それってあの一家を取り込んで自分のものにしたっていうメタファーですよねきっと。
蛇みたいにゆっくり確実に飲み込んでいくようなイメージ。
妹さんの最後の言葉の通りに。

個人的に序盤でお花が咲き誇る暗闇からフィリックスくんと女子のイチャイチャを覗くバリーさんのカットが不気味で素晴らしくて大好きです。
あの時からもう既に獲物を狙う目付きでしたもの。
墓場Fuckは興冷めでしたが最後のルームツアーダンスはかなり良かったww
はまり役すぎて感動。笑うしかない🤣🤣

ストーリーは「太陽がいっぱい(1960)」や「召使(1963)」みを感じました。
最高に好きなジャンルです。
FILMARKSさんの"似ている作品"にもそのまんま紹介されていますね。
擦り倒されたプロットではあるもののこれらの作品にはない唯一無二のキモさの連続がこちらの作品にはありますw
陽キャと陰キャ。どちらも人それぞれの個性だけれど。
やっぱり私は日陰に居る子の方が気になってしまう。
闇属性(病み属性?)しか勝たん。

キャストの美形率も何気に凄いと思いました。
そのせいでバリーさんの異様さが際立っていました。
美しいキャスト達が逆にバリーさんの引き立て役かのようでした。
それからOasisやBlur、ジャーヴィス・コッカー。
ロザムンド・パイク様の台詞、イギリスのバンドについてほんの少しの小話。
フィリックスくんの名前。ミドルネームがリヴァーって。監督はリヴァー・フェニックスさんもお好きなのかな?
センスの良い方だなと思いました。
舞台美術や衣装、演出もお洒落で私好みでゾクゾクしながら楽しく鑑賞いたしました。