社会のダストダス

Saltburnの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
3.9
バリー・コーガンのことをリアルに軽蔑できるくらい素晴らしいキモさだった!惜しむなくはバリーの睾丸にはモザイクが掛かっていたことか。

Amazonオリジナル作品、キモさ10割増しの『パラサイト』みたいな作品。監督の前作『プロミシング・ヤングウーマン』とは違う意味でのラストの解放感。監督2作目がこんなのになると、ファンはきっとアリ・アスターに求めるみたいに「もっと…もっと病んでるのをくれぇ…」とこの先エスカレートしていきそうで心配である。

最近変態な映画だったり、変態なキャラだったりと接する機会が多かったけど、本作は全然可愛らしいものではなくシンプルにドン引きした。墓をあんな掘り方する奴を初めて観た、もうこの前の映画でバイクと合体してたのが、健全に見えてくるくらいヤバいキモいコワい。

黒人の同居人、最近『グランツーリスモ』で観たのに全然気づかなかった、髪型のせいか。キャリー・マリガンは意外と出番少なかったけど、監督が『プロミシング・ヤングウーマン』の人だから友情出演みたいなものなのかな。ロザンムド・パイクは貫録強すぎるから時々忘れるけど、まだ40前半なんですね。

ジェイコブ・エロルディは今回初めて観たけど、名前に負けないエロさが滲み出ていた。金持ちでイケメンで性格も良いとか許せなかったが、バリー・コーガンとの身長差に萌えたのもまた事実。この人がソフィア・コッポラ版のエルヴィス・プレスリーを演じるのか、これはきっとエロい。

展開は正直なところ予想の範疇は超えなかったけど、キャストが癖強で演出がいちいちやらしかったので、顔をしかめながらも最後まで面白かった。今更なのかもしれないけど、MGMってAmazonの子会社だったっけ、一体いつの間に…?

去年劇場で観た『Air』はどうやらAmazon製作だったみたいで、本作と合わせて今年度の賞レースはAmazonと、同じ配信プラットフォームだと『ナポレオン』や『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のAppleが目立っている。当り外れが極端なAmazonと地味目だけど冒険をせず着実に点数を稼いだAppleという印象(笑)

本作のラストシーンは大画面で観たらテロだと思うが、本国では劇場公開したのだろうか。

なんにせよ、バリー・睾丸には後風呂は入って欲しくない。