かこじ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のかこじのレビュー・感想・評価

4.0
公開初日のレイトショー。
会場ほぼ男性客で、30人くらい。

原作漫画は1巻を試し読みしたものの、理屈っぽい台詞回しと冷笑系な感じがして、途中で断念した。
緻密な劇画風背景に対して、藤子不二雄風キャラが特徴。

そして劇場版アニメ前編は、大変面白かった。
311震災後の空気感と、『第9地区』「幼年期の終わり」と「ドラえもん」を混ぜ合わせた、カオスなテーマを大変上手く料理した快作!
浅野いにおを食わず嫌いしたことを後悔。

絶望と悲壮感に浸る大人に対して、青春を曲りなりにも謳歌しようとする女子高生たちが楽しい。
一方で、全く無関係のような、自衛隊の宇宙人捜索が、徐々に絡まる展開が良くできている。

タレントあのちゃんと幾田りらの声優演技がイメージ通りで、ティーンと幼少期もキッチリこなす。
芸能人の底力を感じる。

一見、あっけらかんとした彼女たちも、実は闇を抱えていて、理想の女子高生像を演じているに過ぎない。
その闇が明らかになるにつれ、どんどん面白くなったところで「後編につづく」
後編が待ち遠しい。
原作を先に読むか、映画公開まで待つか悩む。

「ドラえもん」の秘密道具、「自分なら有効に使える」
皆が一度は考える発想を具現化した作者にニヤリ。
かこじ

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