RUNPEN

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のRUNPENのレビュー・感想・評価

4.0
とにかくアニメ化した事にまず驚き。
しかも映画館で前後編の二部作。

おいおいこれ単行本にして全12巻のマンガよ?ひとつ2時間ほどの映画2本分でおわるの??できるの??
TVシリーズの方が良かったんじゃない??

というのが最初の感想。




などと不安に思いながらもしかし
主人公2人の声優発表でまずブチ上がりましたわな。



中川凰蘭の声にあのちゃん!!!
最初期の予告を観て、たたきのめされました。
おんたん!!これ!!おんたんの声やん!
はにゃにゃフワ〜ってこう発音すんのか!!!すげえ!!!

YOASOBIの幾田りらさん演ずる門出の声もいい!!


興味のない人たちからすれば
「また今話題の人、売れてる人を起用しただけか」やら
「本職の声優に失礼」やら
「ジブリか!」など(まぁジブリか!と言ってる人はみてないが)
と思われるとは思うんだが、言ってることはわからなくもない、けど、、、

ちがうんです。

コレ、この配役、ホントウにホ、ン、ト、ウ、にピッタリなんですよ!!
スゴい。



原作マンガファンのワタシとしてはもう期待が爆上がりしたワケですが、先に言ったとおり、いやでもこの全12巻の長い原作をどうやって前後編の映画にすんのよ??
ってのはやはり疑問ではあった。







以下ネタバレあり。
長文怪文書。





まず予告の時点で、仲良しJKグループ・リア充担当「栗原キホ」の悲劇が報じられたことに驚いた。
「え、それ言うの?」と。
原作マンガのそのあとのみんなのやりとり
でワシ毎回泣いてしまうんだけど!?
言っちゃうの?と。


しかしでも、よく考えるとキホちゃんの件は悲劇ではあるけれど「デデデデ」の物語としては、ある意味きっかけというかスタートでもあるわけで。
なのでそこから始まるのだから、原作を知らない人へのフックになる「予告編」としては充分アリかなあ、と思いなおした。






そして本編。

いや、これは、、素直に面白かった。
まいりました。

キホちゃんのくだりどころじゃない、いったいぜんたいこの前編でどこまでやるんだ??!って思いが、観ているあいだアタマからはなれなかった。


マンガでは後半に展開する過去編、というか小学生の頃をこうやってみせてきましたか!!!
それにともなう大葉くんの見せ場やマコト、ふたばの登場まで!!
いや、おもしろい。
どこまでやるの〜。
この構成はとても良いと思う。



のちにパンフでディレクターさん脚本家さんのコメントを読んでなるほどな、と。

群像劇でもある原作マンガの中から、どこをなくしてどこを残すのか。
おんたんと門出の物語に集中できるように考えたという。いや、素晴らしい。
これぞ映像化されることの楽しみの一つであります。
漫画や小説の映像化についてまわる、原作通りにやればいいってもんじゃない。って事が成功してるんではないでしょうか。




大切なのは門出とおんたんの物語である。


この「前章」では謎も多く原作を読んでいないとわかりにくい部分もあったりするのだが、それをさしおいても

「このあとおんたん達はどうなるの?」

って事に気持ちがいって「後章」を観たくなるのは、ひとえにおんたん門出の仲良しグループやまわりの人、エリートニートであるひろし、謎の大葉くんに侵略者、ブサ犬、という多数のキャラクターたちが皆魅力的だからだ。
おもしろい。



空に浮かぶ巨大な宇宙船というのはさまざまに例えられる。

直接的被害で言えば、いつくるともわからない地震や台風などの災害ともいえるし、観念的に言えば漠然とした将来や未来への不安、という見方もできる。
日本に住む我々は常にそのような気分にさらされているのかもしれない。
それらをどうにかやり過ごして日々を生きているのは、おんたんと門出たちも現実の自分たちも同じことなんだなと思える。


いざ、ことが起こったときにおんたん達はいったいどうするのか?!どうなるのか?!
「後章」が楽しみであります。



しかも!
この映画版ではラストが原作マンガとちがうという!!!

え〜!!??めちゃくちゃ完璧ともいえるマンガのラストが変わるの?!
原作者であるいにお氏が絵コンテも描いてるの?!
サプライズが多すぎてビックリなんだが。

とはいえマンガ初見の時は、ある世界線の門出やおんたんたちの姿が見られず幾分落ち込んだりもしたのだが、通読3回目にしてやっとこさ理解できたというか
「これ、、、めちゃ感動的なラストやん、、、」と作者の気持ちを100%うけとれたワタシ。
思い出すと泣く。



絵コンテといえば、作画の点では原作者浅野いにお氏がアニメーション原画も多数手掛けてるらしい。
なのでこのクオリティーが保たれてるのか!
いやもちろんアニメーターの方々の追力あってのことだと思うが、ほぼほぼマンガのイメージ通りの画面、絵作りでそのあたりもすごいなぁと。


「後章」で必ず起きるであろう大規模な破壊とその後の世界をおんたん達は一体どう生きるのか?
ラストがかわるってどうかわるの?!
きになる〜。


くりかえすが「後章」非常に楽しみであ〜る。



あと言っときたいのが主題歌!!
「絶絶絶絶対聖域」のスゴさがすごい。

ていうか作詞のあのちゃんのおんたん理解度がものすご過ぎる。
イントロからのゲーム脳おんたんらしいワードにまぎれて原作マンガと絶妙にリンクする言葉選び。
すげえよ、、、スゴいセンス。

からの「革命前夜は〜♪」のサビ!!
これがヤバい。
歌詞思い出すだけで泣ける、、、。
これはおんたんから門出への絶対的なメッセージだ。
あのちゃんのセンスに感服。天才。

またこのサビのメロディもめちゃくちゃ良い、、、。
イントロアウトロとのコントラストもあって曲調全体がカッコいい。けど泣けるという。
作曲のTK氏も天才ですか??

いや、この主題歌はほんと良い。
もうだってこれおんたんが歌ってるんだもの。と思えるのもクソヤバイですね。



「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」
アニメ化大成功ではないでしょうか。






余談
マンガの豪華永久保存版、版も大きくカラーも掲載、BOXアンド描き下ろしイラスト、そしてなんと加筆ページあり!!
うわー!!欲しいー!!
結構なお値段ですけど買うしかない。
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