takaori

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のtakaoriのレビュー・感想・評価

3.9
2024年115本目
劇場44本目

前編の圧倒的な破局の景色の力強さに比べると、風呂敷を畳んでまとめるためにやや失速している感は否めず。ガザでのジェノサイドやそれに対する人々の無関心、冷笑など現代社会の問題を取り込んでいる点や、戦後日本のサブカルチャーが抱える破局のオブセッションの原点にはやはり原爆があることには納得感があるし、「世界の終わり」のロマンを退け、それでも人生は続く、とする割り切りのよさは悪くはない。が、凰蘭と門出の関係が十分深められないまま迎える結末は、説得力には欠けた。とは言え、同日公開の『関心領域』と見比べると、凰蘭の残酷なまでの無関心さはある種の趣があり、この映画がいま作られる意味を与えてもいる。大葉君の造形とキャラクターはとても魅力的でよかった。
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