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熱のあとにのmikiのネタバレレビュー・内容・結末

熱のあとに(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ずっと、ずっと他人事にはとても思えない、ヒヤヒヤしながら見てました。2019年の殺人未遂事件から着想を得たというのを知りそのことを前提に鑑賞しました。事件当時、他人事ではないと感じて自分が怖くなったのを覚えてます、なので今回は半分怖いもの見たさではありました、、、

自分の好きな人が生きてる以上、誰かを好きになったり好意を持たれたりすることは不可避、ならば私のこの手で最後にしてしまおう、尚且つこの人の最後になれるのは私が最初で最後私しかいない。
この怖い感情は愛ちゃんだけでは無い、誰しも加害者になりうるし被害者になりうる。
ストレス社会、出会いの多様化、SNSの普及、この社会の中で恋愛をしたら、好意から殺意に変わるなんて誰しもあり得ると思う。そんなこと必ず無いなんて誰も言い切れない。
この世で一番怖いのは人間、、

仲野太賀は事件には登場しないオリジナル人物で、そんな中でも役作りがすごい良かった。
初めは、愛ちゃんとは違う人間、愛ちゃんの感じていた感情は持ち合わせないという視点から、最終的には「俺のこと刺したいって思ったことある?」という質問をし「無い」と言われ絶望を感じるという、刺す=愛ちゃんにとっての究極の愛、では無かったんだ、という、うまく言えないけど、移り変わっていく様の演技が凄い。
愛ちゃんにとって、好きだったホストと違ってこういう言動は魅力的に映らないんだろうなという微妙なラインの演技が、すごい。
そして映画の中でとても印象的だったのが「檻」。仲野太賀は完璧な檻として自他共に認めていた。それが本人にとってどれだけ屈辱的だったんだろうって、、それは爆発してしまうよな。プツッといった演技が見てるこっちも辛かった。
改めて仲野太賀の演技力。迫真。

でも、一方的な感情で相手の人生を終わらせるなんてことは絶対に何があろうとどんな事情があろうとしてはいけないことです。
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