カトマンズの掟

クラユカバのカトマンズの掟のレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
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2024 0415 ミッドランドスクエアシネマ2にて観賞。

群像劇の『クラメルカガリ』はシナリオ原案・成田良悟のカラーが出ていたが、『クラユカバ』は塚原監督の趣味が炸裂している。
調べたら、監督は昔の東宝映画が好きだそう。

味方サイドは、佐藤允みたいな部隊長が出てくるし、『独立愚連隊』の『燦めく星座』や『血と砂』の『聖者の行進』が音楽として使われる。岡本喜八監督の戦争映画へのオマージュか。
戦時中のヒット歌謡として代表的な『燦めく星座』をバックに現れる戦車、からのタイトル〜オープニングクレジットの演出は痺れた。

一方で敵サイドには、活動弁士の坂本頼光が起用されており、サイレント時代の映画(活動写真)の雰囲気も感じられる。
あと脇役に、実写なら植木等か加トちゃんがやりそうなちょび髭メガネの警官がいた。

イメージは、サイレント映画最盛期の大正〜昭和初期(敵側)と、岡本喜八監督作品の舞台になる日中戦争期(味方側)とが混ざっている感じ。世界観は大正〜昭和初期寄り。
元ネタであろう昔の日本映画を観ていたら、きっとより楽しめるのでは。