映画『ビニールハウス』
良かれとした事もマイナスに働き、負の連鎖、連鎖、連鎖!
韓国の新たなすごい才能!
ビニールハウスで暮らす主人公の女性。盲目の老人とその認知症の妻の訪問看護師として働いている。施設にいる息子と一緒に暮らす事がを夢見て。
ところが、ある出来事から狂った運命に拍車がかかり、負の連鎖が始まる。
脚本が秀逸。衝撃のラストまで、負の連鎖の展開アイデアが素晴らしい。嫌な気持ちでしか終わらない映画だけど、こういうのってパワーもらうよな。70年代のアメリカン・ニューシネマ同様、韓国映画界の作家主義がこういう物語で傑作を産む。
脚本だけじゃなく、こだわった構図なども素晴らしい。なんと、監督・脚本・編集は、これが初長編のイ・ソンヒ。しかも、ポン・ジュノ監督などを輩出した名門、韓国映画アカデミーの卒業制作。卒制に才能ある役者をキャスティングできるのもすごい。韓国の映画教育のレベルの高さ。新たな才能が次々と送り出されている。『はちどり』のキム・ボラ監督、『同じ下着を着るふたりの女』のキム・セイン監督も同様に女性で次作が楽しみ。
主演のキム・ソヒョンのリアルな演技も素晴らしい。
諸々傑作!