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土を喰らう十二ヵ月のMALPASOのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
2.9

映画『土を喰らう十二カ月』

ニューヨークの友だちから感想聞かせてと言われていて忘れてました。すみません。

長野の白馬、山奥の一軒家に住む沢田研二演じる高齢の有名作家。
愛人と思われる松たか子演じる編集者が時々訪ねてくる。
山や畑で取れたもので料理をする日々。親しい人が死んで、突然自分用の骨壷を焼き始める。

土井善晴先生が提唱する「一汁一菜」の料理が繰り広げられる。
しかし、料理の撮り方がすごくラフ。映画『ポトフ』を観て確信したのは、完成品を美味そうに撮る事に固執してたけど、大事なのは調理中。その音と湯気。完成品はフィクスでもいい。

よくある編集者と作家の関係。愛人が時々訪ねてくるが、一緒に料理して食べるだけ。爺さんでも乳くらい揉むだろう?それとも料理が前戯で食べるという行為がその比喩なのか!

料理の話から後半死生観に移行して、主人公が「死ぬ、死ぬ」言ってくる。一人称で描かれていることもあるけど、年寄りのくどい話を聞かされているような感じ。

ジュリーさん、精進料理ばかりであんなに太らないよね。

壇ふみさんが出てくる。紺野美沙子、関根恵子とか僕よりも大分先輩方の和な感じの女性が昔から好き。またはラクロス部で焼けてる子(笑

こういう生活、嫌ですよ。山の中なんて、虫がいっぱい来るし、クマや猪、猿、野ネズミが出るし、買い物も遠いし。自給自足でも便所紙はいるもんな。映画というのは悪い部分を描かないので、こういうの観て、ああいう生活いいなあと憧れて実践すると、クソ後悔するよ。なんて思っていたら、中江監督の描く年寄りは綺麗事ばかりで素敵に見せてる気がしてきた。

とはいえ、風が吹いて、草や土があって、凸凹を歩くってのはいいなと思う。
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